2026/02/24

「左利きの方への配慮」について


前回の記事では、大きな括りで「合理的な配慮」に
ついてお話させていただきましたが、その中でも
左利きの方への配慮は意外と見落とされ易く、
優先度は低くなりがちです。

本日はそんな左利きの方への配慮や、特に幼少期の方に
対するアプローチ、更に今後の日常生活をどうすれば
障壁を余り感じる事なく、楽しく過ごしてもらえるか
お伝えさせていただきます。


【左利きの現状】

日本には全人口に対しておよそ10%の方が左利きであり、
数値上、かなりマイノリティーであると言えます。
利き手が一般的ではないからといって、そんなに不都合は
ないだろうと思われがちですが、以下の様な困り事に毎日
直面しています。

①国語の時間等で文字を書く際に手や服が汚れてしまう。
②漢字等は右手で書く事が前提なので、書き始めや書き順が乱れる。
③ハサミやカッター等の刃物は刃の向きが逆なので、使いづらい。
④定規の目盛が逆向きなので、線を引くのに苦労する。
⑤クリアファイルは取り出す側が右側なので取り出しにくい。
⑥ボールペン等は正しい書き順で書こうとするとインクが出づらい。
⑦片開きのドアは基本的に右利き向けであり、開けづらい。
⑧駅の改札は右側に切符の挿入口があるので、たまに戸惑う。
⑨食事中に左隣にいる右利きの方と手が当たってしまう。
⑩習字はとにかく大変!

等など生活する上で常に不便さを感じて過ごしています。


【幼少期において】

幼少期の段階では、利き手がはっきりと定まっている方も
いれば、不定型の方もいらっしゃいます。

昨今の大きな流れとしては、昔の様な偏見も少なくなり、
利き手がどちらであっても一つの個性と見なす事が多く
なってきています。

その中で、上記の様な苦労をさせたくない等の理由から
矯正すべきか悩まれている保護者様も少なくないかと
思われます。

その判断をする為の基準や考え方を大まかに挙げたいと
思います。

   
①<-左利きの方が困らないグッズや工夫->
 ↳
  後述するアイディアを使い、困り事を解消する事で
  不便無く日常生活を送れるようになります。

②<-矯正する事で過度な負荷が掛かっていないか->
 ↳
  無理強いは精神的な影響を及ぼす可能性があります。
  日常生活の全てにおいて左手を使う方にとっては
  かなりの負担となります。
  特にハサミや包丁等の刃物を利き手の逆で扱おうと
  すると大変な危険を伴います。

③<-場面毎の使い分け->
 ↳
  上記の2点を踏まえた上で、逆の手も練習する意義が
  あり、お子様自身にも意思と意欲があるのであれば
 「どちらの手も使えたら楽しいかも!」 というスタンス
  のもと取り組むと良いでしょう。
  その場合は、部分的・段階的を心掛け、無理のない
  範囲で、両方の手を使う楽しさを知ってもらえると
  良いでしょう。
 


【アイディア】

・「マーカー等を使用する際は、紙(文章)の向きを縦に」
 ↳
  マーカーや修正テープは構造上、進行方向に手を押す形で
  動かすと滑らかに着きません。縦向きor右辺を少し上げると
  手を引く形となり滑らかに着きます。

・「左利き用or両手兼用の道具を使用する」
 ↳
  シンプルですが、非常に快適になります。ハサミは勿論、
  定規,クリアファイル,カッター(両刃),鉛筆削り,調理器具,
  メジャー,手帳等など様々な道具が存在します。
  ネットで左利きの方専用の道具屋さんもありますので、
  是非覗いてみてください。

・「その他の便利グッズを使用する」
 ↳
  ボールペンだとゲルインク,加圧式,油性,速乾のタイプは
  ストレス無く、書く事が出来ます。マーカーであれば、
 ペン先に小窓が付いているタイプも視界が塞がらずに
 書き進められます。

・「ルールや環境の整備」
 ↳
  学校の教科によってはノートの書き進める方向が逆だと
  書いている部分が手で塞がったり、手が汚れたりします。
  そのような場合、周囲や学校の了解を得られるのであれば、
  書き進める方向を変更したり、ノートそのものを書き易い
  タイプに変更したりといった工夫が出来ます。
  これも一つの合理的配慮といえます。
   

【まとめ】

著者は、幼少期に右利きになるよう厳しく矯正を受けましたが、
全く適合が出来ず、泣いて過ごす事も少なくありませんでした。

また、当時は左利き用のハサミといった物はなく、左手で
ハサミを持つと切る断面が見えず、変な角度で持つ事を
強いられて辛い思いもしました。

そんな事もありましたが「こうやったら上手く使えるかも!」
といった自分なりに解決しようとする癖がついて、そういった
発想は現在、日常生活を送る上で非常に有益な経験であったと
思えます。

不便さをどうやって解決し、快適な生活を送れるようにして
ゆくのか、様々な方法がありますが、お子様の思いも汲み
ながら一緒に考えてもらえますと幸いです。


児童発達支援・放課後等デイサービス
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