2025/07/30

小学生以降の学びの壁を超える合理的配慮のアイデア集

~合理的配慮は“やさしさ”ではない──学びの壁を超えるために必要なこと~
◇小学生になると始まる「見えにくい困難」
子どもが小学校に進学すると、「読み書き」「計算」「集団行動」「対人関係」など、生活の中に明確な“できる/できない”が現れてきます。
特に発達に特性のある子どもたちは、目には見えない学びの困難を抱えながら日々の授業に向き合っています。

*板書が追いつかない
*集中が続かない
*質問ができない
*友達との距離感がつかめない

…でも、それは本人の努力不足ではなく、環境が合っていないだけかもしれません。

そんな時こそ必要なのが「合理的配慮」です。
それは特別扱いではなく、「その子がその子らしく学ぶための環境調整」にすぎません。

~学びの壁を乗り越える合理的配慮のアイデア集~
✅ 学習面への配慮
*音読が苦手な子には代読OKや録音再生の活用
*漢字が苦手な子には「読み」で評価する柔軟さ
*板書が遅い子にはノート代わりのプリント貼付や写真OK*

✅ 注意・集中への配慮
*集中が途切れやすい子にはタイマーと小休憩
*宿題の提出が難しい子には「期限の延長」や「家庭との連携」でカバー

✅ 対人関係・コミュニケーションへの配慮話せない子には
*うまく「合図カード」や「ロールプレイ」で代替表現を準備
*集団が苦手な子には少人数グループや一人移動の選択肢を

✅ 感覚・環境面への配慮
*音が苦手な子にはイヤーマフ
*椅子が苦手ならクッションやバランスボールを使用
*服のタグが苦手なら着替えルールを柔軟に
*これらの配慮はすべて、「その子の“できる形”に合わせる工夫」であり、特別なものではなく教育の一部といえるでしょう。

~“できない”は“工夫で変わる”──合理的配慮がひらく子どもの可能性~
「授業中に集中が続かない」「音読や板書が苦手」「友達との距離感がつかめない」──
こうした困難を、小学校以降の子どもたちは少しずつ背負っていきます。けれど、それは本人の努力不足ではなく、“環境が合っていない”だけのことかもしれません。

合理的配慮とは、「できないことを減らす」のではなく、「できる方法で学べるようにする」ための支援です。
たとえば――

*板書が追いつかない子には写真をOKに
*イヤーマフで聴覚過敏に配慮
*集団行動が苦手な子には少人数での関わりを
*宿題を出せない子には期限の延長を

こうした調整は、本人の尊厳や学びの権利を守ると同時に、自分らしく学び、自信を持つきっかけになります。

私たちがすべきなのは、「この子に何ができないか」ではなく、
「この子が“できるようになるには、何を変えればいいか」という問いを持つことです。

合理的配慮は、特別扱いでも甘やかしでもなく、教育の基本にある“公平さ”を実現するツール。
そして、それが当たり前のように根づいていくとき、教室はすべての子どもにとって「安心できる学びの場」になるのだと思います。

児童発達支援・放課後等デイサービス
こどもサポート教室オレンジ
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