~子どもにとって「待つ」は難しいこと~
小さな子どもや発達に特性のあるお子さんにとって、「待つ」という行動は思っている以上に難しいものです。
「まだだよ」「ちょっと待ってね」と声をかけても、なかなか伝わらなかったり、イライラしたりしてしまう場面も多いですよね。
そんなときに役立つのが「視覚支援」です。
言葉だけでなく、“目に見える形”で伝えることで、子どもが状況を理解しやすくなり、安心して「待てる」時間を作ることができるようになります。
~「待てない」を「待てる」に変える視覚支援の工夫~
①「いつまで待つのか」を見える形で伝える
タイマーやカウントダウンカードを使って、時間の終わりが“目でわかる”ようにします。
(砂時計・デジタルタイマー・ぬりつぶす時間表 など)
「あと5分」「時計の針がここまで」など、具体的なゴールを見せることで安心感UP
🟡ポイント:時間の感覚は曖昧。見えるゴールがあると頑張れる。
②「順番が来ること」を絵や写真で示す
スケジュール表や順番カードを使って、「自分の番が来ること」がわかるようにします。
例:「①おともだち → ②じぶん」の順番カード
活動予定を絵カードで示し、「終わったら次はこれ」と見通しを持たせる
🟡ポイント:見通しが立てば、不安や焦りが減り、待ちやすくなる。
③「待っている間にできること」を示す
“待ち時間用”の絵カードやボックスを準備して、「ただ待つ」ではなく「何かできる」時間に変える工夫。
例:「待ってる間は、ぬりえ/絵本/おもちゃ」などの選択肢カード
ボックスに静かにできるおもちゃや活動をセットしておく
🟡ポイント:やることがあると、時間の流れがスムーズに感じられる。
さいごに
~視覚支援は“わかる”を届けるやさしい道具~
子どもが「待てない」理由の多くは、「何を、どれくらい、どうやって待つのか」が見えない・わからないことによる不安や混乱にあります。
大人はつい言葉で伝えがちですが、子どもはまだ「言葉を聞いて理解する力」が発達途中。そんなとき、視覚で伝える工夫はとても効果的です。
視覚支援は、「できない子に使うもの」ではなく、子どもが安心して行動できるようにする“思いやりのツールです。
タイマーや順番カード、スケジュールなど、ほんの少しの「見える化」で、子どもは落ち着き、行動に見通しを持てるようになります。
「待つ力」も急にできるものではなく、練習と成功体験の積み重ねで育てていけるスキルです。
最初は5秒でも、「待てたね!」と一緒に喜ぶことが、自信と成長の第一歩になります。
視覚支援を通して、子どもと大人が安心して、笑顔で関わり合える時間が増えること――それが何より大切なのです。
児童発達支援・放課後等デイサービス
こどもサポート教室オレンジ
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