2024/05/28

反抗挑戦性障害(反抗挑発症)とは


反抗挑戦性障害(反抗挑発症)とは

家族や学校の先生、友達などの身近な人に対して過度に怒りっぽい、口論や挑発的な行動、

意地悪で執念深い行動を特徴とする疾患です。症状を発症する場面や相手が多いほど重度であると診断されます。また、ADHD(注意欠如多動症)の二次障害としても知られています。

「主な症状」

反抗挑戦性障害(反抗挑発症)の特徴には、大きく分けて3つのパターンがあげられます。それぞれの例をご紹介します。

●過剰に怒りっぽい

周囲からの刺激に過剰に敏感になり、すぐにイライラする。

しばしばかんしゃくを起こしたり、怒ったりする。

●周囲に挑発的な行動をする、口論が好き

大人が決めたルールや権威のある目上の人物に積極的に反抗したり、口論をふっかけたりする。わざと周囲の人をイライラさせ、自分の失敗、または失礼な行動の原因を他人のせいにする。

●意地悪で執念深い

相手を傷つけたいという悪意のある行動をする。

「反抗挑戦性障害(反抗挑発症)と反抗期の違い」

反抗挑戦性障害(反抗挑発症)は医学的な診断名であるのに対して、反抗期は医学的な診断名ではありません。
反抗期は、子どもが周囲の大人などに否定や拒否の態度や行動が多くあらわれる時期を示し、子どもの健康な育成に反抗期は必要なものとされています。個人差はありますが、反抗期には保護者などに反抗的な態度をとったり、イライラしたりするものです。

そのため、

そのため反抗期と反抗挑戦性障害(反抗挑発症)を見きわめることは難しい場合があります。見分けるためには反抗的な行動がどのくらい続いているのか、どのくらいの頻度で発症するのかを考えることが重要です。

例えば、第一次反抗期と呼ばれることもある5歳未満(1歳半から4歳ころ)の子どもの場合、周囲の人に対して怒る、乱暴な言葉で反抗する、かんしゃくを起こすなどの行為がほとんど毎日、少なくとも半年間続くことが見分ける条件となっています。

5歳以上になると、症状が週に1回以上、少なくとも半年以上続くことが診断の目安になっています。

しかし、反抗挑戦性障害(反抗挑発症)かどうかを見分けるには、これらの条件だけでなく、発達水準、性別、文化の基準などさまざまな条件を考慮する必要があります。

すべての条件をふまえた上で発症頻度・症状の重さが通常の反抗期を超えている場合は、反抗挑戦性障害(反抗挑発症)と診断されます。判断が難しいので専門家に相談することをおすすめします。

主な原因

反抗挑戦性障害(反抗挑発症)の要因として、育った環境が関わっている場合があるといわれています。しかし、育った環境が決定的な要因ではなく、気性が荒い、我慢が苦手といったもともとの気質や、遺伝的要因などの関わりもあるとされているため、原因ははっきりしていません。

発症しやすい人

反抗挑戦性障害(反抗挑発症)の最初の症状は就学前に現れることが多く、

青年期早期移行に発症することはあまりないといわれています。

発症率の男女比は思春期以前は1.4:1となっており、男児の方が発症率が1.4倍高いといわれています。

しかし思春期以降は性別による発症率の差はあまりみられなくなります。

対応方法・治し方・接し方

反抗挑戦性障害(反抗挑発症)の治療

・症状を緩和すること

・患者が社会的生活を送る上で発生するトラブルを少なくすること

・家族のストレスを軽減すること

・行為障害への進行を予防すること

を目的として実施されます。

治療法として主に薬物療法、社会技能訓練、認知的技能訓練、ペアレント・トレーニングなどがあります。

薬物療法に関しては、反抗挑戦性障害(反抗挑発症)を根本的に治療する薬ではないため、興奮や衝動性などの症状を抑える薬が処方されます。

社会技能訓練は、大人や友達がいる場で周囲のサポートを受けながら行う「社会での過ごし方」を取得する訓練です。正しいコミュニケーション方法の取り方、怒りや拒絶の感情が発生したときの対処法、また目上の人とのやり取りの仕方などの練習を行います。

本人ではなく、その保護者が子どもとの関わり方を訓練する、ペアレント・トレーニングという支援もあります。

主に保護者の対応方法を変えられるようになる事を目的としています。

保護者は子どもの反抗的な行動の動機・行動パターンを分析することによって、問題行動に対して上手く対応し、子どもの反抗的な行動を減少されることを目指します。

反抗挑戦性障害(反抗挑発症)の子どもへの接し方

◇過剰に興奮してしまう場合

素直に従うことがなく、無視するか、返事はするものの結局行わない傾向がある場合、指示を繰り返すと興奮して暴言を返してくるなど、売り言葉に買い言葉となってしまいがちです。

このような場合が多い子どもには、前もって約束する方法がよいでしょう。

その場ですぐに「~しなさい」と命令するのではなく、前もって約束したことを思い出すよう促します。

そうすることで、子どもにとって指示する大人と対峙するのではなく、約束を守るかどうかという「自分との対峙」になるように誘導します。

具体的なポイントは、子どもが約束を思い出せないときは、「何を約束したっけ?」

と内容を聞き出すのではなく、まず約束したという事実を伝え、

次に「お風呂?遊ぶ?どっちかな?」と二択の質問にします。

言葉だけでは伝わらないときには、絵カードなどを使ってみるのもおすすめです。

◇思った通りにならずに拗ねてしまう場合

衝動性が高く、思いついてすぐに行動してみたものの、思い通りにならない場合など、ちょっとした拍子に拗ねていじけてたり、反抗的な態度をとったりする場合があります。

拗ねる原因として、多くの失敗体験によって自信が持てなくなり、「どうせやっても失敗してしまう」とネガティブな思考が染みついていることが挙げられます。

そのため、自分は上手になれる、上達することを実感してもらいます。

ここで重要なのが、

●何をするべきかを明確にする

●どこまで到達することができたか分かりやすくするために階段的な目標を示す

●子どものモチベーションを維持するために結果のみではなく過程を評価してあげる

子どもは、本当に自分にできるのか。と不安を感じています。

そのため、「本当に上手くなってきたね、こうやっていけばもっとうまくなるよ」と語りかけつつ、自信をつけてあげることが大切です。

◇自分のペースで行動したがる場合

自分のペースで行動したがる場合、集団で遊ぶことや、ほかの子ども達との共同作業が苦手なこともあり、集団に入るよう誘うとパニックを起したり、周りの子どもたちと興味やペースが合わなくなり怒りだしてしまったりすることがあります。

このような場合は、本人の興味やペースなどを配慮して、周囲との距離感を調整することが主な対応方法となります。

子どもが嫌がっているような素振りや表現を見せた場合は、無理強いしないことが重要です。

東淀川区にあるこどもサポート教室オレンジでは、

集団で取り組むサッカーコースもあり、サッカーを通じて他の子との掛け合いの練習や、失敗や成功を経験しながら自信をつけたり、モチベーションの維持にも繋がります。日々通っていく中でペースをつかめるように成長することも可能になります。

無視が多く興奮してしまう子や、すぐに拗ねてしまう子、ペースが合わず集団生活が苦手な子どもたちにも柔軟に対応します。

お子さまのお困りごと・ご相談お気軽にお問い合わせください。